NO ART, NO LIFE アートはいつでも君のそばに

心を育てる芸術鑑賞会の企画・制作《ひょうげん教育》のスタッフブログです

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1年越しのパントマイム鑑賞会

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こんにちは、武田です。

やっと・・・やっとの思いで、芸術鑑賞会を実施できました。

兵庫県加東市の小学校さんです。

 

元々の実施予定日は昨年6月、

当然コロナで中止になって、昨年10月にスライドしていただきました。

ところが10月も駄目で・・・

 

それでもご担当の先生は、

「1日でも早く、子どもたちにパントマイムを鑑賞させてあげられることを願っています。」

と、頼もしいお言葉をくださり、

今年3月には具体的な希望日程を出してくださりました。

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年度をまたぐことになった際、ご担当の先生が送ってくださったお手紙です。

そしてこの6月、遂に、小学校さんにうかがうことが叶いました!

 

演者の皆さんもよく堪えてくださいました。

出演団体である“スーパーパントマイムシアターSOUKI”は、

昨年、結成30年を迎えた日本を代表するパントマイム集団であります。

しかし、コロナの影響により、昨年度に決定していた舞台公演・ワークショップ・芸術鑑賞公演のすべてが中止となってしまいました。

結成30周年記念公演さえも開催不可能という悲劇的な状況下で、

存続の危機にさらされながら、

必死に、パントマイムという舞台芸術の灯を消さぬよう守り続けてきたんです。

鍛練を絶やさず、想像力を絶やさず、

パントマイムへの愛情を絶やさず、

必死に守り続けてくれたんです。

 

私も待った甲斐がありました。

SOUKIのメンバーと再会した時には、胸が熱くなりました。

 

そして当日・・・

やはり大成功でした。

 

SOUKIメンバーが次々に繰り出すパントマイムの数々に

子どもたちはあっという間にひきこまれ、

ものすごい集中力で舞台を見つめます。

分かるんですよ、

『何もないのに見える』

『まるでそこにあるかのように見える』

そう子どもたちが感じていることが、舞台袖にいる私から見て分かるんです。

1つのパフォーマンスが終わった瞬間に贈ってくれる

割れんばかりの拍手からも、

子どもたちが『確かに感じ取っていること』が伝わります。

 

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SOUKI代表・江丿上氏の「ふうせん」、舞台袖で見ていたら涙があふれてきました。

SOUKI代表の江丿上陽一氏は言います。

「パントマイムを通じて“想像する楽しさ”、“言葉がないからこその自由”を観客の皆さんに感じてほしい」

想像力は無限ですものね。

そして子どもたちは想像力のカタマリです。

 

体験コーナーではパントマイムの基本とも言える「かべ」を

みんなで演じてもらうのですが、

江丿上氏はここでも子どもたちに語りかけます。

「パントマイムが上手くなるために1番大切なのは想像することなんだよ。

目の前にかべがある。

そのかべはどんなかべだろう?

コンクリートでできてる?

木でできてる?

最近よく見るようなアクリル板かな?

手触りはどう?

すべすべしてる?ざらざらしてる?

熱い?冷たい?

そうやって、自分の前に本物と同じかべをつくること、

それが大切なんだ。」

 

子どもたちは笑顔から急に真顔になって、

自分の目の前のかべを想像し創り出します。

そしてゆっくりとそのかべをさわり、こすり、たたきます。

 

伝わっています。

感じています。

 

これが舞台芸術の素晴らしさです。

芸術鑑賞会の意義です。

 

この瞬間をいくつもいくつも創りたくて

私は芸術鑑賞を制作しているんだ、

あらためて確信しました。

 

学校の先生方、

出演者の鍛練、

その他関係者やスタッフの努力によって

この場は成立しています。

 

コロナ禍と呼ばれている今だって、

努力すれば実現できます。

 

子どもたちは見て、聴いて、感じて、吸収して、

その次には笑顔があふれます。

 

当たり前だったことが

当たり前でなくなって、

2年がかりでやっとこぎつけることができて、

あらためて感謝しています。

 

これからも続けていきます。

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