NO ART, NO LIFE アートはいつでも君のそばに

心を育てる芸術鑑賞会の企画・制作《ひょうげん教育》のスタッフブログです

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絵本は“ひらく”もの

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こんにちは、武田です。

娘の通う小学校に絵本の読み聞かせをする保護者の会がありまして、私もその会の一員として月に1回ではありますが、読み聞かせをしに小学校へ行っています。

もう15年ほど前になるでしょうか、この学校の先生で読み聞かせが好きな先生がいらっしゃって、毎日のように自分のクラスの子どもたちに絵本を読んで聞かせていたそうです。それが子どもたちに大変好評だったのですって。その翌年でしょうか、読み聞かせを受けていたある子どもの母親が「是非続けたい!」と思い立ち、自主的に読み聞かせを始めたらしいのです。その行為が学校からも喜ばれて続けていく内、1人増え2人増えとだんだん読む側の親達が増えていって今のような会(組織)になったのだそうです。

 

読み聞かせは、基本的には自分の子どものいる学年を担当します。

兄弟のいるところはその都度調整して、といった感じです。

 

今日は、その会の総会がありまして、黒一点参加して参りました。しかも初参加です。

会計報告や次年度役員選出などが会長リードの下、テキパキと進められます。

会長さん、タダ者ではないですね。聞くところによると、講演会などでも話される方らしい。なるほど、お話が上手なだけでなく、参加者全員を笑顔で見回しながら、朗らかに、みんなを尊重し受け止めようという姿勢を前面に出しながら、それでいて議題から脱線しすぎないよう舵取りも巧みに進行していく手練れでございます。これはなかなか出来ることではないですね。聞けばもう会長を3年間務められたとか。

読み聞かせ界(会)の頼れるお母さん(そのまんまですが)といったところでしょうか?

 

その会長さんから「読み聞かせをする時に心がけてほしいこと」というお話がありました。

「読むのが上手とか下手とか関係ない、自分の心と声で読んでほしい。子どもの前では“読んでやるぞ”といったおごった気持ちにだけはならないでほしい。」

「絵本はひらくもの、演じるものではないのです。子どもはめくられる度に新しいページの絵を追いかけます。絵を追いかけながら自然と言葉が耳に入ってくる、そのペースは子どもによって違う、だから“ここを見て”なんて指さしたりする必要はないんです。そうすると余韻に浸れない子どもも出てしまうから。淡々と読んでくだされば後は子どもたちが想像します。」

 

う~ん、《絵本はひらくもの》

確かに。おっしゃる通り!

この言葉は、パチッと光ってスーッと水のように私の胸にしみていきました。

 

子どもの感性・想像力を信じるならば、

絵本作者の「絵」に込めた思いに委ねるならば、

きっとそうなんだと思います。

 

ただ、ただただ・・・

今、葛藤しているのは、私の読み聞かせの基本は《紙芝居》から生まれたってところなんですよね~~。

40年以上昔、幼き日のエンタテインメント、パソコンもゲーム機もなかった時代の、子どもなら誰もが胸躍らせた大活劇・紙芝居!

絵と弁士(おっちゃんですが)による、あのぜつみょうおうおうなコラボレイション&パフォーマンス!!怪しげなキャラクターと彩度の低い色合い、「ぎゃおおおおお~ん!」とか「ずばばばば~ん!」とかの大げさな擬音・効果音・・・これらにやられてしまってましたね~、トリコになってました。決してB級マイナー作品ばかりではなかったですよ。名作もありましたし鮮やかなコントラストの画風もありました。

要は、あの時自分が受けた刺激が源になっているので、私の読み聞かせも「ずばばばばばば~~ん!」なのですねえ。あの時の臨場感と興奮を子どもたちに伝えたいと思ってしまうんですねえ~~。そして、そのスタイルが自分でも楽しい、この上なく。

 

それと、自分が役者として(修行時代も含めて)身に付けてきた経験やスキル、テクニックを惜しみなく注いだ読み聞かせをすることが、私の、子どもたちへの愛情表現でもある、と思っているところもあります。持っているものは全部出す。全力で出す。

 

読み聞かせも表現ですからね。

私は私のやり方で全力をつくす。全力で子どもたちの前に立つ。全力で絵本をひらく。

それでいいのかなーと思っています。

会長の言葉はしっかりといただきました。

それは他の会員の皆さんも同じ気持ちでしょう。

言葉の響いた方達はきっと“絵本をひらいて”読み聞かせるでしょう。

心から“そうしたい”と思ってなさることでしょう。

私も心から“そうしたい”と思うスタイルで読み聞かせよう。

どんなやり方でもいいから。

その代わり、作品選びも発声練習も役作りもタイム計測も、全力でやろう!

かわいい子どもたちのために。