NO ART, NO LIFE アートはいつでも君のそばに

心を育てる芸術鑑賞会の企画・制作《ひょうげん教育》のスタッフブログです

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ブラボー!高校生の感性!

 

こんにちは、武田です。

 

今年初めての「表現ゼミ」の授業での出来事をお話しします。

 

何度かブログでも書いております通り、表現ゼミ生は今、3月の成果発表会に向かっての練習に励んでおります。

 

今回は1年生が北海道へスキー合宿に行っている期間に重なっていた為、2年生のみでの授業となったのですが、前回のブログでお知らせした通り、嵐さんの「GUTS!」のダンス練習もやりました。

「軽〜くやるからね、まずカウントでやってみるから見ていてね」

と前置きした上での振り付け披露をまずしたのですが・・・

もー動き始めている。

私は左右反転では覚えていないので、右向きか左向きかをその都度確認しながら真剣な眼差しで踊り始めています。

当然1回で終わるはずもなく、

4回5回と振り移しは続くこととなりました。

みんなが前向きに取り組んでくれたことが何よりうれしかったですね〜🎶

 

続いては、「電子顕微鏡写真を見て何を拡大したのか当てるクイズ」

やりました!!

2つのチームに分け、下の写真のようなお題をそれぞれに出して、何の拡大写真なのかを当ててもらうゲームです。

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「想像すること!頭を柔らか〜くして、イマジネーションイマジネーション!」

と想像力の大切さを強く伝えます。

表向きの意図はこれでOK。

さらに

「みんなで意見を出し合って!それを記憶&記録して。どんな意見が出たか、全部発表してね」

とも伝えます。

 

本当のねらいは

自分の意見を言うこと

他者の意見を聞くこと

他者の意見から新しい発想を導き出すこと

なのです。

 

個人戦でなくチームにしているのはそのためです。

 

いろいろな意見が出てきて面白かったですよ♪

上の写真をお題にされたチームは「生物か無生物か?」でまず悩んでいました。

「生物だよ」

というヒントを与えてからは、一気に多数の意見が出されて、それを結構論理的に整理していってましたね。

当てることが目的ではなく、観察し想像し他者を尊重し他者と協力しながら推論を積み重ねる・・・そのことこそが真意だったのですが、彼らはちゃんと実践してくれました✨

 

さて、次にやったのが「即興演劇」でした。

2人1組で、

1人(Aさん)は上手(かみて、客席から見て舞台右側)の椅子に座っています。

もう1人(Bさん)に「最初のセリフ」というお題を出します。

Bさんは下手(しもて、客席から見て舞台左側)から登場して最初のセリフを言い、そのセリフへのリアクションをAさんがするところから即興芝居が始まります。

「最初のセリフ」には色々なパターンがあります。

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Bさんがセリフにどんな思いを込めて言うかによって、その後の展開は変わってくるでしょうし、

Aさんが最初のセリフをどのように受け止めるかによって、やはり展開は変わってくるでしょう。

Bさんのねらい通りに進むこともあれば、

裏をかかれてBさんが慌てて方向転換をする場合もあります。

 

「おまえがやったんだろ」というお題から始まった女子2人組が「即興芝居の醍醐味」という扉を開けてくれました。

Bさん役の女子が最初のセリフの後に続けたのが

「私のカレシをとったでしょ、かえしてよ!」

という強い怒りをまとった言葉でした。

何度も繰り返し「カレシをかえして」を連呼する彼女に対し

「オレはとってねーよ」

の一点張りだったAさん役の女子が

次に取った行動で状況は一変します。

怒りに任せて自分を責め続けるBさんの手をそっと両手で包んだのです。

今度はBさんの表情が変わります。

怒りとは明らかにちがう感情が入ってきたのでしょう。

戸惑いながら、それでも彼女は「カレシをかえして」をまだ続けます。

Aさんは両手でBさんの両手を握りしめたまま、Bさんを見つめます。

Bさんがしゃべるのをやめました。

2人が見つめ合います。

2人同時に口を開き

「好き!」

と言って抱き合います。

 

爆笑と拍手喝采!!

教室が割れんばかりにふくれあがりました。

 

相手のセリフ(言葉)を聴くこと、

相手の表情や動作から感じとること、

受け止めること、

即興の基本です。

 

無理やりではなく、

ウケねらいでもなく、

きちんと気持ちを通わせてくれた2人に贈る拍手が止まりませんでした。

 

始める前は

「大丈夫かなあ…」と

不安そうな表情だったBさん役の生徒でしたが、

終わった後の晴れ晴れとした笑顔✨

 

表現 のもつ力が

生徒たちに新しい可能性を見出させた瞬間でした。