NO ART, NO LIFE アートはいつでも君のそばに

心を育てる芸術鑑賞会の企画・制作《ひょうげん教育》のスタッフブログです

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1年ぶりの「俳優についての逆説」

 

こんにちは、武田です。

 

私が演技やコミュニケーションについての授業を受け持っている高校で、今年も生徒たちの舞台発表がありました。

その名も「THE 生 〜俳優についての逆説〜」!

衣裳もメイクもなし、

装置も照明もなしの素舞台で、生徒たちが「己の肉体表現のみ」で観客と向き合うという、

大変挑戦的で実験的な舞台であります。

1年前にこのブログでも取り上げました。

あれから1年・・・早いですね〜〜

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劇作家の宮本 研さんの台本は、

「役者(俳優)」という職業の自由さ・破天荒さ・荒唐無稽さを、

時に乱暴に、

時に扇情的に、

時に酔っ払いのように、

饒舌に描いております。

ハムレットの一場面なども出てきます。

要約すると

「役者は何にでもなれる、何だって創り出すことができる。役者が本気を出したら怖いものなんてない。怖いものなんてないけど不安はある。でもやっぱり役者はスゴイ生き物なんだ!」

ってな感じでしょうか?

 

何のことやらさっぱり分からないと思います。

台本はこんな風に役者達を煽るだけ煽って、中身カラッポなのです。

で、そのカラッポの部分を、生徒が自分たちで書き・演じ・演出した小作品を並べて埋めていくのです。

だから本当に「役者はスゴイのか?素晴らしいのか?」

を、自らの演技で証明しなければならない、実に過酷な舞台でもあるのです。

 

まあ、スゴイかどうかは別として!

 

若いエネルギーにあふれた、活きのイイ舞台でしたね。

登り坂にいるけれど、

体力と意欲は山のように満ちているけれど、

自分の(肉体の)使い方がよく分からない青年達の、

偽りのない100%の表現を見ることができました。

熱くて生々しい情熱を感じることが出来ました。

 

こういう試みは、人前で演じることの怖さも気持ちよさも素直に感じられるから、生徒たちにとっても大きな価値がありますね。

演じることの深さを体感できるか、出来ないかで、個人差が大きく出る発表でもあります。

舞台上でアイデンティティーを確立できるか?

それは表現として成立しているのか?

自分自身の表現を見直したり、他者からの受け取り方を確認したり・・・

心と身体のメンテナンスや

自分の演技の検証の場、になるのでしょうなあ・・・

 

今日のキラキラは今日だけのものです。

そのキラキラを明日増やせるか、なくしてしまうかは

君たち自身の問題なんだあああ〜〜!!

また観に行くから、もっともっと表現の高みを目指して登ってね。

ありがとうございました!