NO ART, NO LIFE アートはいつでも君のそばに

心を育てる芸術鑑賞会の企画・制作《ひょうげん教育》のスタッフブログです

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熊本県からのお問い合わせ

 

こんにちは、武田です。

 

つい先日、熊本県の小学校からお問い合わせをいただきました。

児童数130名の小規模校で、

予算は児童1人・800円〜900円で、

低予算だから実施時期は決めていなくて、

熊本や福岡に丁度良いタイミングで来てくれる団体に「移動日」や「空き日」にやってくれないかと交渉しているのだそうです。

明朗快活な女性の先生は、受話器の向こう側でカラカラと笑いながら

そんな自校の鑑賞会事情をあっけらかんと語ってくださいました。

 

近隣の学校と合同で実施することは可能でしょうか?

どうにかもう少し予算を捻出できないでしょうか?

私から相談もしてみましたが、

「そうなんですよね〜、でもちょっと難しいんです〜」

先生は明るい声でお答えになる。

 

何とかならないか・・・?

電話中にあれこれと思いを巡らせましたが、

そもそも九州に行く公演がなければ無理なお話しでございまして・・・

「お力になれず申し訳ありません。」

と電話を切ることになったのでありました。

 

受話器を置いた後、すぐさま後悔しました。

「近隣校との合同実施」や「行政へのはたらきかけ」なんてことは

きっと今まで何回も検討されてきたに違いありません。

試行錯誤を経ての現状であったはずなのです。

「余計なことをきいてしまったなあ」

反省しきり・・・

ただ、この問題こそ、乗り越えなくてはいけない積年の大問題でもあるのです!

 

学校芸術鑑賞会のほとんどは、

学校ごとに単独の「学校行事」として計画され実施されるケースがほとんどです。

ということは当然、学校の規模(児童生徒数)によって予算は左右されます。

都会にあっても、地方にあっても、生徒1人あたりの徴収費用の「額面的な重さ」は変わりません。

でも、「実質的な重さ」に大きな隔たりがあるのです。

仮に、30万円の予算をもっている学校があるとしましょう。

その学校が東京や大阪のような大都市にあるか、

例えば熊本県にあるかによって、

手持ちの予算で「どんな舞台芸術」を「出演者何名の編成」で学校に呼べるか、

全然違ってしまうのです。

大都市にはそこを拠点とする劇団もオーケストラも含めたくさんのアーティストがいます。

交通費や運搬費をかけなくても子どもたちのもとへたくさんの舞台芸術を届けることが出来ます。

しかし、地方にはなかなか簡単には行けません。

旅費・運搬費だけで結構な金額になってしまいます。

30万円あっても、大阪からは2〜3人の演奏家しか行けない地域がたくさんあるのです。

 

地方にも、いえ、

日本中にアーティストは存在します。

例えば生まれ育った場所に根を張って、地道に、深く深く、自身と向き合い創造を続けている人もいます。

例えばあえて人里離れた環境を選んで、集団で生活しながら鍛練を続け、芸術作品を創り続けている人たちもいます。

でも絶対数が足りないんです。

熊本の子どもたちにも、

児童130人の学校にも、

届けていきたいのに届けられない現実があります。

 

だから私たちは「もっとARTプロジェクト」という計画を立てました。

日本全国にちらばるアーティストたちが、

もっと地元(に近い場所)で活躍できるように、

もっと地域の人・学校・企業と深く関わり合えるように、

芸術にかける情熱と創造力を地元に還元できるように、

そんな思いからスタートしたプロジェクトです。

 

そして、九州である団体を発見しました。

今ちょうど、学校公演というフィールドで一緒に頑張ってみないかと、

アプローチをしているところです。

 

いつか、このお問い合わせをくださった学校にもうかがえるように、

子どもたちと舞台芸術との出会いが叶いますように、

そんな思いを胸に秘めながら

新しいアーティストとのプログラム作りに手を付け始めたところです。

 

我こそはと思うアーティストの皆さん、

ご連絡ください。

子どもたちのために、

未来のために、

もっとARTを!

もっともっと希望と活力を!

 

熊本の小学校の先生、お問い合わせをありがとうございました。

先生のお話のおかげで、私も力が湧いてきました。

心から感謝申し上げます。