NO ART, NO LIFE アートはいつでも君のそばに

心を育てる芸術鑑賞会の企画・制作《ひょうげん教育》のスタッフブログです

NO ART, NO LIFE アートはいつでも君のそばに
心を育てる芸術鑑賞会の企画・制作《ひょうげん教育》のスタッフブログです。

コミュニケーションとピア・サポート

 

こんにちは、武田です。

 

今私は高校で「演技・表現」の授業と共に「コミュニケーションとピア・サポート」という授業も受け持っています。

 

ピア・サポートというのは「同じ環境・境遇・課題に直面する人同士がたがいに支えあう」という意味で使われます。ですから、学校で言えば「生徒同士による助けあい・支えあい」のことを意味するわけです。

 

現代のこどもたちは様々な問題やストレスをかかえながら生きています。

情報量はとにかく多いけれど、それらを精査して自分にとって有益か無益かを判断している時間がない。さらに次々と新しい情報は入ってくるから判断力も養えない。

入ってくる情報を周りと共有するツールはあるけれど、判断力が成熟していないから「共有」から先の「自分の考えを伝える」「相手の考えを受け取る」という作業、精神的なインプット⇔アウトプットがうまく出来ない。

自分と違う個性をなかなか受け入れられない。

集団の中でなかなか個性が発揮できない、異端と判断しやすい、されやすい。

少人数でグループ(コミュニティ)を作り、それを堅持するために排他的になったり、意見の合わないものを排除したりする傾向がある。

自分の考えよりも周りの意見やながれに身を任せやすい・・・

 

書いててちょっと悲しくなってきましたが・・・

 

インターネットとゲームとSNS

この影響が大きいと思います。

 

「グループ」というバーチャルと現実をないまぜにして失っていく、自分らしさと他人との距離感

孤立してもそれが孤立だと気づかないネットワーク

共感していなくても押さなくてはいけない「いいね」

文字面だけの共感

文字面に簡単に込める怒りや憎悪、悪意、敵意

文字面の悪意を受け止めきれない、あるいは水に流せない精神的脆弱さ

 

便利であるというのはもちろん理解していますが、

自我の確立がまだ出来ていない段階で、

これだけ物質も情報も増大してしまうと

正しく処理できなくなってしまうのも当たり前かと思います。

 

そんな「今を生きる」こどもたちに、

人と(面と向かって)接することの大切さ、ありがたさ、怖さ、苦しみ、喜び・・・

そういったことを伝えていきたい、

そんな思いから始めることになった授業です。

 

今週で3回目となりました。

 

今週やったのは、

2人1組で片方は目を閉じて、もう1人が手を取って誘導する

というエクササイズでした。

 

人を信頼すること

人から信頼されること

 

その関係性をぎゅっと凝縮して体験してもらいました。

目が見えないという不安と恐怖を

相手の何によって払拭するのか?

どう導いたら相手の不安を払拭できるのか?

 

生徒たちはそれぞれに考え、

時に失敗してつまづきながら、

相手への共感、思いやり、具体的な配慮、心地よさ

といったものを感じ取っているようでした。

 

手を取りあって進めることが大切ですよね。

 

明日を生きるエネルギーになってくれたらありがたいです。

f:id:lalala1com:20190606110005j:plain