NO ART, NO LIFE アートはいつでも君のそばに

心を育てる芸術鑑賞会の企画・制作《ひょうげん教育》のスタッフブログです

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鑑賞会で大事にしていること

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私たちは十数年間この仕事をしていますが、それと同時に舞台俳優でもありました。今も表現に関わる仕事をずっと続けています。

劇場は出演者と観客のお互いの息遣いや体温までもが伝わるスリリングな空間であり、観客と一緒に時間を共有する空間です。それが好きで、生であることや直接人と向き合うことにこだわりを持ってきました。

そこでは、どんなに役作りしても、決められた科白を喋っていても、その人となりが露わになってしまうものです。

音楽であっても同じで、楽譜通りに、決められた記号通りに演奏しても、同じ楽器を使っても、演奏者する人によって情景が違って聴こえるのは、音楽に人柄や経験が滲み出て、音や演奏に深みを与えるからなのではないかと思います。

 

また、生の舞台では、観たり聴いたりしている観客の皆さんの反応というものがダイレクトに伝わってきます。それが子どもたちならば、とても素直で正直な反応です。

舞台の上から見ていると、今日のお客さまは乗っているなとか、白けているなというのが、怖いほど伝わってくるのです。

演奏者や演者は、お客さまの反応や手応えを感じます。お客さまが乗っていれば嬉しいと感じ、白けていれば心をつかむキッカケを探します。

それぞれの心の動きが、会場の空間に熱量となって現れるのです。

だから、今日の公演は、今日の演奏者・演者と、今日の観客と、この空間でしか成り立たない。

それが、生の舞台の尊いところです。

 

良い演奏とは何か? 良いパフォーマンスとは何か? を考えた時に、お客さまの反応と、それを受けた出演者の心の動きを軽視することはできません。練習を積み重ね、最後にお客さまに観てもらって初めて、その作品は完成するのですから。

 

私たちの企画する鑑賞会プログラムは、オーディエンスであるお客さまとともに劇場空間を創り出そうとしています。

演奏技術や表現力のすばらしさはもちろんですが、楽器や音楽や出演者がより魅力的に見えるように演出され、お客さまの心を惹きつけるよう工夫されています。会場全体が一体感を伴って進行していくプログラムも多数あります。

演奏者・演者の人柄や経験値も重要なカギです。

劇場空間での非日常体験が、子どもたち、大人たちの感性を刺激し、活力となることを願っています。

 

記事:鰍沢(かじかざわ)

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